民事訴訟法

【民訴9】訴えの取り下げ、再訴禁止効

今回は、法学教室2016年7月号 演習民事訴訟法を素材に、訴えの取り下げについて考えてみようと思います。素材となった裁判例は東京地判H19・7・11で、参考判例は最判S52・7・19です。 設問を読んだときは、例えば設問1で、XがYに訴えを提起してYが自己の当事…

【民訴8】既判力の客観的範囲と争点効

今回は、事例演習民事訴訟法 事例16を素材に既判力の客観的範囲と争点効について考えてみようと思います。参考判例は、最判S44・6・24です。 本事例は、前訴においてYがXに対し係争地について所有権に基づく明渡請求を行い、これについてY勝訴判決を得た。し…

【民訴7】書証の証拠力

今回は、事例演習 民事訴訟法 事例10を素材に書証の証拠力について考えていきます。参考判例は最判S39・5・12です。 本事例では、直接的には書証の証拠力が問われているわけではなく、証拠収集手段について、特に文書提出命令およびビデオ会議による証人尋問…

【民訴6】既判力の拡張、反射効

今回は、事例研究 民事法Ⅱ 第1部 問題4を素材に、既判力の拡張、そのうち主に反射効について考えてみようと思います。この問題の反射効についての設問は設問4で、この事例の素材となった判例は最判S51・10・21です。 事例としては、Xが貸金債務の主たる債務…

【民訴5】平成28年司法試験民事系第3問目

今回は、平成28年司法試験民事系第3問目を検討していきたいと思います。 今回の問題は、例年通り、会話文の中で指定される課題について検討させる形式となっています。設問としては3つだが、会話文に出てくるポイントについて検討を要するため、考えることは…

【民訴4】主張・立証責任を負わない者の行為義務

今回は、法学教室2016年5月号 演習 民事訴訟法を検討していきます。 といっても、今回の問題は演習というより論点研究みたいな感じで、一応事例形式になっているけれど、問題も短く、事実が多くあるわけではないです。 とりあえず、事例としては、手術による…

【民訴3】将来給付の訴え、敷金返還請求権と不法行為に基づく損害賠償請求

今回は法学教室演習 民事訴訟法2016年6月号です。参考判例はもちろん最大判S56・12・16大阪国際空港事件です。問題としては、大阪国際空港事件を前提として、賃貸借契約継続中に敷金返還請求訴訟を提起できるか(問1)土地不法占有者に対する明渡しまでの賃料…

【民訴2】証言拒否が認められる「職業の秘密」の判断方法

今回は、TKC論文演習セミナー民訴 問題3です。素材判例は最決H18・10・3です。前回の文書提出命令と同様に非常にマイナー論点で戸惑う。以下は主に最決H18・10・3のまとめ197条1項3号の「職業の秘密」「職業の秘密」とは,その事項が公開されると,当該職業…

【民訴1】文書提出命令と自己利用文書の問題

本日の問題はTKC論文演習セミナー民訴の問題1と2ですどちらも文書提出命令と自己利用文書の問題なので一括して考えてみます。文書提出命令について設問自体は最判をベースにしている為、今回は文書提出命令についてのおさらいをしていきます。まず、文書提出…