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【商法2】株式の併合と少数株主の締め出しと平成26年改正

商法
今回かんがえるのは、法学教室2016年6月号演習 商法です。

事案としては、甲株式会社の経営難のため、乙社が第三者割当増資により筆頭株主になり、その後甲社の代表取締役を退任させ、乙社の代表取締役を甲社の代表取締役として、甲社の株式を2000株を1株とする株式の併合の株主総会の決議を行った。もともと、甲社の株主であった者は2000株に満たなかった。当該株主総会決議をする際には、偽造された委任状に基づき議決権が行使されたという瑕疵があった。

このようななかで、少数株主としては、どのように扱われるようになるか、また、これらの者が取り得る手段について検討する問題である。


株式の併合による少数株主の締め出し

本件のような株式の併合は、これまでは全部取得条項付種類株式を利用することで行われていた少数株主の締め出しと同様の効果がある。

すなわち、本件のような株式の併合の決議がなされると、最大株主以外の株主が保有する株式は1株に満たない端数となり、金銭によって処理されることになる(235条1項)。

これまでの改正前会社法では、この株式の併合において端数処理となった者がその対価について異議を申し立てる機会が設けられていなかった。そのため、締め出しに反対しない者でも右総会決議の取消を訴えるしか方法がなかった。

平成26年改正では、反対株主に対する株式買取請求権が付与されることとなった(182条の4)。これにより、対価に異議があるものについては、併合の効力を争うことなく対価について異議を述べることができるようになった。

さらに、株式の併合については、事前開示手続き、事後開示手続き、差し止め請求の制度が設けられた(182条の2〜6)。


株主が取り得る措置

では、具体的に取り得る措置をみていく。

まず、上記のように締め出しには反対しないが対価について争いたい場合には、当該株主総会決議において反対票を投じ、その後公正な価格による買取を請求する。価格については会社と協議し、不満があれば裁判所に価格の決定を申し立てることができる。

では、締め出しそのものに反対する場合にはどうすることができるか。

まず、株式の併合が法令・定款に違反する場合において、株主が不利益を受ける恐れがあるときは、株主は、会社に対し、当該株式の併合をやめることを請求することができる。本文においては、委任状が偽造されていた瑕疵により、決議要件を欠くと言えれば、差し止めも認められる。

また、従来通り、当該総会決議自体の効力を争う方法がある。すなわち、株主総会決議取消しの訴え(831条1項)を提起し、当該総会決議の瑕疵を主張する。ここで、少数株主は、当該総会決議により株式の併合の効果として株主たる地位を失うことになっているが、原告適格が認められるかが問題となっていた。

これに対しても、平成26年改正により、決議の取消により株主になる者にも原告適格が与えられるようになったため、締め出しを受けた少数株主がその地位を回復するために当該総会決議の取消を求める訴えを提起することが可能となった。


今回は解説をまとめただけ、でも、会社法改正は何より知っておくことが大切なのでメモ書き