憲法

【憲法10】財産権の規制

今回は、事例研究憲法 問題9を素材に財産権の規制について考えてみようと思います。素材判例は最判H15・4・18です。 まず、この問題を読んだときにはこれまでの事例問題とは異なり、私人間における民事上の請求が問題とされている点に戸惑いを覚えました。…

【憲法9】営業の自由、委任の範囲を超える規則制定

今回は、事例研究 憲法 第2部問題8を素材に、営業の自由と委任の範囲を超える規則制定について考えてみようと思います。素材判例は最判H25・1・11薬事法施行規則事件です。 今回の事例はもっぱら薬事法施行規則事件を簡略化したもので、この判例自体も平成25…

【憲法8】先端科学技術研究と学問の自由

今回は、事例研究憲法 第2部 問題7を素材に先端科学技術研究と学問の自由について考えてみようと思います。 今回は、非常に難しい問題であって、当然ながらこれの素材となった判例もなく、強いて言えばクローン羊ドーリーに関する問題くらいであり、明確な答…

【憲法7】報道の自由、取材の自由

今回は、事例研究 憲法 第2部 問題6を素材に、報道の自由について考えてみようと思います。 今回の事例も、市委員会傍聴を制限したY市委員会条例についての法令違憲、本件不許可処分についての処分違憲、ならびに条例の平等原則違反というXの主張について検…

【憲法6】表現の自由を制限する法令の文面審査

今回は、事例研究 憲法第2部 問題5を素材に、表現の自由を制限する法令の文面審査について考えてみようと思います。素材となる判例はありませんが、徳島市公安条例事件(最大判S50・9・10)、福岡県青少年保護育成条例事件(最大判S60・10・23)、広島市暴走…

【憲法5】知る権利

今回は、事例研究 憲法 第2部問題4を素材に知る権利について考えていこうと思います。参考判例は、富山県立美術館事件(天皇コラージュ事件・名古屋高裁金沢支部判H12・2・16)と、最判H17・7・14です。 この問題を読んだときは、論点らしい論点(普段やって…

平成28年司法試験短答科目雑感

今回は、平成28年司法試験の短答科目についての雑感をまとめておきたいと思います。 問題はそれぞれ憲法20問・民法36問・刑法20問で配点は50点・75点・50点の合計175点満点、それぞれ40%以下の場合には足切り、合格点は合計114点となっています。 今回は…

【憲法4】信教の自由と教職員の採用

今回は事例研究 憲法 第2部 問題3です。素材判例は日本にはないようで、ドイツで問題となった事案のようである。 事案としては、イスラム教を信仰する日本人女性XがY県の公立中学校で英語教師になるため採用選考を受け、これに受かり採用候補者名簿に登載さ…

【憲法3】平成28年司法試験公法系第1問

今回は平成28年司法試験公法系第1問について検討したいと思います。今回も設問は2つで、設問1においては原告(A付添人として)の性犯罪者継続監視法が違憲である旨の主張について、設問2では原告の主張に対する検察官の反論及び私見について問われている。事…

【憲法2】積極的差別解消措置と法の下の平等

今回は事例研究 憲法 第2部 問題1です。素材となっている国内の判例はないようである。事例としては、Y県で、女性の社会進出を進める政策の一環として、公立学校における条例が制定され、これと教頭の採用候補者選考試験における合否が関連んされる問題であ…

【憲法1】憲法答案の難しさ

本日の問題は『事例研究 憲法』 基礎問題3と4です。と言っても検討というより憲法答案を書く上で自分が難しいと感じている点についての日記のようなもの憲法答案の特殊性憲法の問題において主として出されるパターンとしては、「設問1 Xの訴訟代理人としての…