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【民訴1】文書提出命令と自己利用文書の問題

本日の問題はTKC論文演習セミナー民訴の問題1と2です
どちらも文書提出命令と自己利用文書の問題なので一括して考えてみます。

文書提出命令について

設問自体は最判をベースにしている為、今回は文書提出命令についてのおさらいをしていきます。

まず、文書提出命令は民訴法220条の文書提出義務に基づくものであり、当事者は219条・221条に従い所持者に提出を求めることができる。220条1号から3号までの文書に該当する場合には所持者は提出義務を負う。もっとも、4号ではこれら以外の文書であっても一般的に提出義務を負うこととし、4号イないしホに該当する場合には文書提出を拒否することができる。これらイないしホまでの文書に該当する旨の主張立証責任はこれを拒否する者にある。

1号は引用文書
2号は閲覧可能文書
3号は法律関係文書
これらは提出義務がある文書たちである。

他方で、
4号イは証言拒絶権(196条)に関わる文書
4号ロは公務員作成文書
4号ハは証言拒絶権(197条)に関わる文書
4号ニは自己利用文書
4号ホは押収文書
については提出を拒否することができる。

今回の問題では主として4号ニの自己利用文書の該当性、さらにはその検討内容について問うものであるから、これについて考えていこう


自己利用文書該当性について

自己利用文書該当性を検討するにあたって忘れちゃいけない判例は平成11年11月12日判決であろうか。今回問題として使われた平成19年8月23日判決と平成19年11月30日判決においても右平成11年判決を手がかりに考えていくことになるだろう。

平成11年決定は百選掲載判例であるからそちらを確認するとして、貸出稟議書について提出命令の申し立てを却下したものである。
ここでその判旨を挙げよう
「ある文書が、その作成目的、記載内容、これを現在の所持者が所持するに至るまでの経緯、その他の事情から判断して専ら内部の者の利用に供する目的で作成され、外部の者に開示されることが予定されていない文書であって、開示されると個人のプライバシーが侵害されたり個人ないし団体の自由な意思形成が阻害されたりするなど、開示によって所持者の側に看過し難い不利益が生ずるおそれがあると認められる場合には、特段の事情がない限り、当該文書は民訴法220条4号ニ所定の『専ら文書の所持者の利用に供するための文書』に当たると解するのが相当である。」

この判決の整理としては、自己利用文書に当たるには外部非開示性と不利益性の2つの要件を充たす必要があるとされる(さらには特段の事情がないこと)。
この後の判例も主にこの基準に従い、外部非開示性を否定するものや不利益性を否定するものと様々である。百選は解説に3ページを使っているため必読である。

そこで、問題となっている2つの平成19年判決について見てみると、どちらも上記平成11年決定を引用して、要件の検討としている。
そして両者ともに当該文書は外部非開示性の要件を充たさず、自己利用文書とはいえないとしている。

8月決定の文書ではその内容が審査支払機関に伝送するものと同様であることを理由とし、11月決定では法令により義務づけられた査定の前提として作成されること及び監督官庁の事後的検証のために保管されるものであることを理由に外部非開示性が否定されている。

ここまで検討して今日は力尽きました。もう少しまとまると思ったけれど、まだまだ理解が浅いようです。無念。

相手方からの資料収集方法という観点からも考えてみるべきかも