2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

【刑訴法8】鑑定に関する問題

今回は、事例研究 刑事法Ⅱ刑事訴訟法 第4部 問題9を素材に、鑑定に関する問題について考えてみようと思います。今回は鑑定という大きなくくりで制度上問題となる点を検討するため、参考判例を中心に確認していこうと思います。 参考判例としては、強制採尿に…

【憲法8】先端科学技術研究と学問の自由

今回は、事例研究憲法 第2部 問題7を素材に先端科学技術研究と学問の自由について考えてみようと思います。 今回は、非常に難しい問題であって、当然ながらこれの素材となった判例もなく、強いて言えばクローン羊ドーリーに関する問題くらいであり、明確な答…

【行政法8】行政行為の撤回と法律の授権、撤回の手続法的検討

今回は事例研究行政法 第1部 問題3を素材に行政行為の撤回と法律の授権について考えてみようと思います。参考判例は最判S63・6・17です。 今回考えてみるのは行政行為の撤回と法律の授権についてですが、今回の事例に含まれている行政法学の基本的な点につい…

【民法8】代理受領と相殺

今回は、事例から民法を考える 事例11を素材に代理受領と相殺について考えてみようと思います。代理受領についての判例は判例百選に掲載がありませんが最判S44・3・4です。 そもそも代理受領とは何か。正直なところ、この事例の解説を読むまでは知らなかった…

【刑法8】クレジットカードの不正使用

今回は、事例から刑法を考える 事例18を素材に、クレジットカードの不正使用と詐欺罪について考えてみようと思います。参考判例は最判H16・2・9です。 まず、本事例については、いつもの通り細かい論点を含んだ事実が多く散りばめられており、これを見逃さず…

【民訴7】書証の証拠力

今回は、事例演習 民事訴訟法 事例10を素材に書証の証拠力について考えていきます。参考判例は最判S39・5・12です。 本事例では、直接的には書証の証拠力が問われているわけではなく、証拠収集手段について、特に文書提出命令およびビデオ会議による証人尋問…

【商法7】買収防衛策としての新株予約権無償割当

今回は、事例で考える会社法 事例14を素材に、買収防衛策としての新株予約権無償割当の問題について考えてみようと思います。参考判例は、ブルドックソース事件(最判h19・8・7)とニッポン放送事件(東京高決H17・3・23)です。 今回の事例では、前半部分で…

【刑訴7】自白法則と違法収集証拠排除法則

今回は、事例研究 刑事法Ⅱ 第4部問題4を素材に、自白法則と違法収集証拠排除法則について考えてみようと思います。参考判例は、東京高判H14・9・4と高輪グリーンマンション事件(最決S59・2・29)です。 自白法則と違法収集証拠排除法則 自白については、憲…

【憲法7】報道の自由、取材の自由

今回は、事例研究 憲法 第2部 問題6を素材に、報道の自由について考えてみようと思います。 今回の事例も、市委員会傍聴を制限したY市委員会条例についての法令違憲、本件不許可処分についての処分違憲、ならびに条例の平等原則違反というXの主張について検…

【民法7】共有物と持分権の主張

今回は、事例から民法を考える事例5を素材に、共有物と持分権の主張について考えてみようと思います。素材判例は、最判S41・5・19です。 今回の事例では、相続財産である甲土地および乙建物が相続によりECDの共有状態となったことが前提となる。さらに、事案…

【行政法7】国家賠償法3条1項の費用負担者

今回は、事例研究 行政法 第1部 問題9を素材に、国家賠償法3条1項の費用負担者について考えてみようと思います。素材判例は、最判S50・11・28です。 国家賠償法3条1項は、同法1条1項及び2条1項の責任を追及する場合に、実際の行為主体と費用等の支出者が異な…